今回このレビューを書くにあたり、久し振りに「危機」を聞いた。
今はアナログ盤が手元にないため、残念ながらあのジャケットを見ることができない。
内ジャケットのすばらしいロジャーディーンの絵が脳内に溢れる。
それから、写譜ペンで書かれた歌詞、無造作に書かれているのを思い出す。
「危機」って聞くほうの気持ちも重要である。
一生懸命聞こうとする人間にすなおに応えてくれる。
決してBGMには成り得ないのである。
ぼくも楽器をやる人間として、演奏面についても何かを書こうと思ったが馬鹿らしくなってきた。
どうやったらあんな事を思いつくのか?
テクニックがあれば、コピーは出来る。
しかし、どうやったらそのアイデアが出てくるのか?
それの方が重要だ。
昔聞いた事のある人は、これを機会に聞いてみよう。
聞いたことの無い人は、ぜひ聞いてみよう。
今の時代にはない何かを感じる事ができる。
それは、メンバーがセッションを通じて作り上げた「危機」。
喧嘩しながら作ってきたこのアルバムには、魂が宿っている。
もし、当時のレコードの録音時間が今と同じ74分であったとすれば、「危機」は70分近い曲であったのかもしれない。
当時のアナログの録音時間を考えると、A面だけで抑えたかったのかもしれない。
それがI GET UP I GET DOWN で2つの曲を同時に
進行させるというアイデアにつながったのだろうと思う。
とにかく今の時代には無い、魂のアルバム。
1つ1つの音に込められたその音を自分の耳で確認しよう。
そして、鳥肌を立てよう。
3曲に込められた魂を!
脳内麻薬が。。。。。あぁ。。。